第11話 道具
その後、俺は再び「正義」という力について考えるようになった。仙台のように明確な目的を持ち、そのために力を使うべきなのか?それとも、この力は暴力を行使するための単なる道具でしかないのか?
ある夜、桐生と話していると、彼女が静かに言った。
「あなたの“正義”は、ただ力を振るうだけじゃないはず。きっと、守りたいものがあってこその“正義”なんだと思う。仙台はいつも、誰かを守るためにその能力を使っている。あなたも、きっと同じはずよ」
彼女の言葉に、俺は心が少し軽くなった気がした。自分の力をただ暴力に使うのではなく、守るべきもののために使う——たとえそれが、時と場所で変わろうとも、そう思うことこそ、本当の「正義」なのかもしれない。
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