第5話 先輩

桐生の案内で、俺たちは街の外れにある廃ビルへと向かった。そこには、部分強化者たちが集まるという秘密の場所があるらしい。廃ビルの中に入ると、そこにはすでに数人の人間がいた。彼らは皆、どこか異様な雰囲気を纏っている。


「お前たちも新入りか?」


そう声をかけてきたのは、体格のいい男だった。彼の両腕は常人の数倍は太く、まるで岩のような硬さを感じさせる。


「俺の名前は加賀。腕の部分強化を持ってる。お前たちは?」


俺は自分が左腕に力を持っていること、そして仙台が足の力を持っていることを説明した。加賀は俺たちをじっと見つめ、少しだけ笑った。


「足の部分強化か……それは面白いな。足は身体全体を支える大事な部位だから、使い方次第でどんな場面でも役立つ。だが、コントロールを間違えれば、その足が暴走して自分を崖から突き落とすことになるかもしれない」


その言葉に仙台は少し怯んだが、すぐに真剣な表情に変わった。


「俺は……自分の力を制御したい。だからここに来たんだ」


加賀は頷き、俺たちを奥へと案内した。そこには、部分強化者たちが集まり、訓練を行っている場だった。彼らは各々の力を駆使し、互いに技を磨き合っている。


「ここでは、自分の力を高め、そして制御するための訓練を行う。お前たちも、ここでその力を極めろ」



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