第2話 新たな目覚め

数日後、俺はこの力の秘密を探るため、情報を集め始めた。ネットでは「異能者」と呼ばれる存在についての噂がいくつか出回っていた。


「部分強化者……それは、肉体の一部に強大な力を宿す者たちの総称。彼らの力は不完全であり、制御を誤れば暴走する危険性がある……」


その文献には、俺が今まで感じていた不安の答えが書かれていた。この力は「不完全」であり、それを制御できなければ命さえ危険にさらされるというのだ。


「暴走か……俺は、あの男と同じ運命を辿るのか?」



その夜、俺は眠れずにいた。男の言葉と、ネットに書かれていた「暴走」という言葉が頭から離れない。この力がいつか俺を飲み込んでしまうかもしれない、そんな不安が募る。だが、同時に力をもっと制御できれば、今まで想像もつかない世界が広がるという期待もある。


「俺は、この力を使いこなさなければならない……」


そう思いながら、俺は自室のベッドから立ち上がり、窓の外を見つめた。夜の街は静かで、まるでこの静寂が俺を包み込んでいるかのようだ。


その時、ふいに携帯電話が鳴った。画面に映ったのは、クラスメイトの仙台からのメッセージだった。


「助けてくれ!」


その一言に、全身が緊張する。慌ててメッセージを開くと、彼が今、街の外れにある廃工場にいること、何か得体の知れない人間に追われていることが書かれていた。


「くそっ、どうしてこんな時に……!」


仙台は俺の左腕の力について何も知らない。だが、今はそんなことを考えている余裕はない。俺は急いで外に飛び出し、廃工場へと向かった。


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