第54話
午前中のテストを受けてお昼休みになった
「やっと終わったぁ!ご飯ご飯♪」
疲れきった顔をしながら千夏と達也がやってきた
「友莉香」
いつもの低めの声で私の名前を呼ぶ声が聞こえて教室の入口を見てみるとこっちに向かってくる星夜と奏弥がいた
「星夜。早かったね」
「まぁな。体調は平気か?疲れてねぇ?」
「ふふっ。大丈夫よ。毎回そんなに聞かなくても」
「友莉香の場合無理するから安心できねぇよ」
「なによそれ」
いつもながら私たちの世界に入り込んでしまっていたみたいで
「ちょっとー!わたしたちがいるの毎回忘れてない!?」
「あ?あぁ、お前らもいたのか」
千夏がつっこむとあっけらかんと星夜が答える
これも毎度お馴染みのパターンになってきた
「まぁ、屋上に行きましょうか?何やら観客も多いことですし」
奏弥のその一言に周りを見渡してみると教室の中だけじゃなくて廊下にもギャラリーが沢山いた
それをみて星夜が私を立ち上がらせて指に手を絡ませて繋ぐと
「行くぞ。あんまおせーと悠とかうるせぇから」
そう言って歩き始めた
いつもの空き教室に入ると悠と陸が先に着いてたみたいでソファでくつろいでいた
「みんなやっときたぁ」
すごーく眠そうな声で話しながら陸がソファに横になっていた体をむくっと起き上がらせた
「お前ら遅いぞっ!」
「うるせぇ。」
悠が怒った素振りを見せるがガン無視で私の手を引きながらいつもの定位置に座り私を足の間に座らせた
「あっ。今日お弁当作ってきてて星夜の分も作ってみたんだけど食べる?」
今日はいつもより早く目が覚めていつものお礼にと思い自分の分を作るついでに作ったのだ
「まじか?食う。てか食わせて」
嬉しそうな顔で弁当箱に食いついた星夜
「ふふっ。」
お弁当箱を広げて玉子焼きを星夜の口に運ぶ
「うめぇな。」
「ほんと?よかった」
「ほんっと2人とも周りの存在忘れるよね」
2人で仲良く食べてると千夏がつっこんできた
「あ、ごめん」
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