第50話
友莉香 side
目の前には奏弥が買ってきてくれた少し小さめのうどんがある
食べなきゃとは思うけど、さっきの大きい発作と小さい発作のせいで身体がだるくてなかなか箸がすすまない
それでもせっかく買ってきてくれたし、薬も飲まないとならないから無理やり口に1口押し込んだ
……けど、やっぱり無理みたいで飲み込んだうどんが戻りそうになるのを口元を抑えてなんとか耐える
すると、やっぱり星夜はきづいてくれて
「友莉香。平気か?とりあえず飯は無理そうだな」
背中をさすってくれながら私の頭を自分の方にもたれ掛けさせてくれた
「ごめんね。せっかく買ってきてくれたのに」
「気にすんなっていつも言ってるだろ?誰にだって食えない時くらいある。今はそんなこと気にしてないで休んどけ。買い物するんだろ?」
優しく問いかけるように星夜は言ってくれた
「そうですよ。残ったのは悠が食べてくれますから気にしないでくださいね。」
奏弥も優しく言ってくれて、他のみんなも心配そうな顔をしながらも優しく頷いてくれてた
「ありがと、みんな」
私はそう言って少し目を閉じた
その後、30分くらいしてやっとの事で体調もよくなった
星夜も私の顔色が良くなったのを見計らって
「そろそろ買い物行くか?」
私の顔を覗き込みながら聞いてくる
「うん。」
「じゃあ、行くか」
星夜の一言でみんなそれぞれ立ち上がった
私も星夜に腰を抱かれながら一緒に立ち上がった
「んー、どこ行こっか?」
「俺、バイク用品店見たい!」
悠がはいっ!と手を挙げて意見するも
「却下。女子がいるんだから女子が楽しめそうなとこにしてよ。喜ぶのは男子だけなんだから。そんなとこ行って私たちを放置する気?」
なんて、ぷりぷり怒りながら言う千夏に速攻で却下された
「友莉香は行きたいとこねぇの?」
隣で聞いてた星夜が聞いてくるけど
行きたいとこかー
「服は欲しいかも?春服が欲しいかな」
「そうか。んじゃあ、服見に行くか。それなら千夏も一緒に見れるだろ」
「やった!私も服とかカバン欲しかったんだよねぇ〜」
千夏も大喜びだ
で、服を買いに行くためにたどり着いたのは某大型有名店の超高級な服屋さん
「ちょ、ちょっと!こんな高いとこで買えないよ?私そんなお金持ってないよ」
隣の星夜の腕を掴んで抗議するけど
「金なら払ってやるから心配しないで好きなだけ買え。」
なんて、何ともないような顔して言うけど
「無理無理!私にはこんな高級な服似合わないって」
「んなわけないだろ。友莉香ならなんでも似合う」
私は本気で拒否してるのにそんな甘いセリフを言って頭を撫でてくれるからついうんって頷きそうになってしまう
どうしようかとなやんでいると
「友莉香さん。気にしないで選んでいいですよ?星夜はこう見えて病院の跡取り息子でお金持ちなので」
あまりに私が悩んでたから奏弥が口を出てきた
「病院の跡取り息子?星夜が?」
「あぁ、まぁな」
「ど、どこの?」
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