第37話

星夜 side



「んっ」


千夏との会話が終わって少し経つと友莉香が起きた


「友莉香?」


まだ少し寝ぼけているのか少し呂律の回っていない口調で


「せいや?」


と問いかけてきた



「あぁ、気分はどうだ?」


そう問いかけながら友莉香の顔を見つめる



顔色は良さそうだが


「んー、平気よ。それよりずっとこうしてたの?」


「あぁ」



友莉香が寝ている間ずっと膝の上に横抱きのままだった


「別に降ろしてくれて良かったのに。重いでしょう?」



「ばーか。全然だろ」


「そう?ならいいんだけど」


そんな会話をしているとうるせぇ甲高い声が聞こえた



「ああっーーーーーーーっ!」


千夏甲高い叫び声だ


「千夏うるせぇぞ」


友莉香も起きたばかりだから少し低めに言うと



「ごっごめん!けどっ!それどころじゃないよ!来週からテストじゃん!」



千夏の言葉に


「あぁ、そういえば千夏さん達は初めてのテストでしたね?」


この学校は他の学校と変わっているのが新学期が始まってすぐにテストがある事だ


って言っても、実力テストみたいなもんでちゃんと勉強さえしてれば赤点なんて取ることはない簡単なテストだが



「そう言えばそうね。私も少し勉強しないとダメかしら?」



「平気だろ。俺と同じくらい勉強出来んなら簡単に満点取れるぞ」


「そう?なら大丈夫かな」


友莉香は安心したように俺の胸に体を預けてくる


それが嬉しくて俺もさっきより抱く力を強めた



「ちょっと!何2人の世界に入ってるの!?呑気なこと言ってる場合じゃないよ!赤点取ったら授業サボれないんでしょ!?」



そう。簡単な実力テストだが赤点を取ると絶対に授業はサボれない


「けど千夏さんは達也の彼女なんですしその条件からは免除ですよ?まぁ、1週間でなければならないのは確かですが」


奏弥の言う通り流星の幹部以上又はその彼女、姫は条件には該当しない


「1週間も授業なんてムリ!」



千夏が頭を抱えながら机に伏せた


俺はそんなもんにもう興味はなく友莉香を抱き締めながら友莉香の髪をいじったりしていた


「俺もやべぇ!どうしよどうしよ!?」


もう1人のバカも千夏のテストの話題で気づいたようで慌てだした



「2人ともそんなにやばいの?」


「やばいよー!友莉香は私の成績の悪さ知ってるでしょー!」


「達也に教えてもらえばいいじゃない」


「あー、俺パス。千夏物覚え悪ぃから教えても無理だ」



そんなにひでぇのかよ


「達也ひどいー!」


千夏が怒りながら達也を叩く

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