第35話

奏弥 side


友莉香さんは発作で余程疲れてしまったのかすぐに眠ってしまった


そんな友莉香さんを優しい目で見つめる我らが総長であり幼なじみの星夜だ



星夜とは小学生の頃からの付き合いだが、こんな風に誰かを優しいめで見る星夜を俺は知らない


星夜は小学生の頃からクールで物静かなやつだった


中学の頃から暴走族に入って星夜はすぐに先代の幹部に勝つ程喧嘩が強かった


だから、入ってすぐ幹部候補に上がり先代が引退して総長になった




だから、こんな風に1人のしかも女に尽くす姿を初めてみた


そんな、思いに浸っていると



「友莉香って発作起こすといつもこんな感じか?」


星夜が千夏さんと達也に顔を向け聞いた


だが、友莉香さんを抱いている手は今も背中をさすったり頭を撫でていたりする



「んー、発作の後はやっぱ体力?みたいなの使うみたいなんだよね。体験してないうちらには分からない感覚なんだけど。けど発作の後は少し気にして見てあげて?友莉香さ発作起こすと結構頻繁に発作起こすし酷い時は倒れたりするからさ」


「しかも友莉香我慢するからな。少しの痛みならトイレ行くとか言って誤魔化すときもあるから。まぁ、バレてないと思ってんだろうけどな」


星夜の質問に千夏さん、達也が順番に答えた



「あ、あと眠ってる時結構魘されることもあるの」


魘される?


千夏さんの言う意味が分からなかった



「1つ聞いてもいい?」


また千夏さんが口を開くといつもの彼女の明るい声ではない真剣で少し低めのトーンで彼女は言った



「なんだ?」


「友莉香に何かあるってこと星夜くらいなら気づいてるでしょ?もちろん星夜以外のみんなも」


「あぁ。だからなんだ?」


その質問に星夜が答え、星夜以外の俺、陸、悠が首を縦にふる


友莉香さんに何か秘密があることは初めて会った時から薄々気付いていた



「なら、その過去をあんたたち全員受け止めることが出来るの?出来ないなら今すぐ友莉香から離れる事ね」


またさっきよりも声低くなったトーンで彼女はこちらを一切見ないで言った



離れる?それはもう無理だろうな。


どんなに本人が離してくれと頼んでも星夜が絶対に離さないだろう



「無理だな。離れるなんて。それに受け止めるくらいの覚悟がなきゃ俺が1人の女に執着なんてしねぇよ」


友莉香さんの寝顔を見つめ頬を撫でながら




「俺が友莉香以外のやつなんて受け入れられねぇ」


その言葉に

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る