第10話

「平気。支えてくれてありがとう。」



お礼を言って立とうとするが私の思いとは逆に私の体は宙に浮いた



「きゃっ。な、なにするの下ろして!」



「うるせぇ。また倒れんぞ。じっとしてろ」



私をお姫様だっこしたままそう言った本条星夜



そのままソファーにこしをおろして、私を膝の上に乗せた



「ちょっと!」



なんとか膝から降りようとするがお腹の前に手を組まれて動けない


「へぇ〜。なるほど、気に入っちゃったんだ?星夜 」


千夏の訳のわからない質問に本条星夜は笑みを浮かべるだけだったが2人の中では会話が成り立ったらしい



他のみんなも理解できたみたいだが私は訳が分からなかった




「意味わかんないし!離してよ、本条星夜!」



「星夜って呼べよ」



「はぁ?女に下の名前で呼ばれたくなかったんじゃないの?」



「お前は別だろ」


「意味わかんないから!離して!」


「暴れんな。貧血だろ?」


「あ…」



離れることに夢中で忘れてた


自分が貧血状態だってこと

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