第5話
あの子は何だったのだろう?私にはわからなかったが、道端で見かける彼を見るたびに、不思議と私は彼を家に招き入れるようになった都営住宅の生活保護住宅である。誰も助けてくれない。生活保護で誰一人として救ってはくれない。世界は冷たい。女というだけでレイプされるこんなくそみたいな世の中で、少年は純粋な視線を私に向けた。
「お姉さんはどこか悪いの?」
「お姉さんは、一見どこも悪くないけど、日本のどこも働かせてくれないのよ」
そういって悲しく笑った。弱者女性。それはきっと私のことだ。永久に生活保護から抜け出せないのだ。それなのになぜだ。少年に施しなど与えて。
少年は貧困ハウスに来ると、食事をうまそうに食べた。それはとてもとてもおいしそうに。
もしかして帰るところないのだろうか?
「お父さんか?お母さんは?」
「殴るから逃げてきた」
衝撃的な一言だった
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