第4話
そうしてやってきた警察に事情を説明し、彼を警察署に連れて行った。
年の差は親子だったが、私に子供なんていない。
警察官に「あなたはどなたですか?」と質問されたが、都営住宅に住んでいる生活保護受給者ですというとずいぶんいぶかしそうな目で見て、私を眺め、去っていった。
生活保護で何が悪い。リウマチ一つで私を雇わない社会が悪いんじゃないか。体の不調一つで雇わない社会が。
そう思うと泣けてきた。きっとリウマチでも養ってくれる旦那さんがいたり、彼氏がいたりする人もいるだろうに私には誰もいない。家族もいない。
何もかも失った。
そう思うと、ただずきずきと痛むリウマチが妬ましかった。
昨日は心なしか体調が悪く、一日寝ていた。体重はずいぶんと落ちた。食事量が減っているのが分かった。このまま死ぬのだろうか。そう思っていると、ピンポンとインターホンが押される音が聞こえた。
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