第25話

『………え?』



思わず声が漏れていた。






……なぜなら、私は涼さんに抱き締められていたから。



「っ……瀬南」



そう耳元で囁く声は、微かに震えていて。



「ずっと、会いたかった…」



一言ひとこと、吐き出すように呟くその声と同時に



段々と抱き締められる力が強くなっていく。

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