第26話

『ちょっ、…! くるしい…っ』



「知らねぇ。もう離さない… 二度と居なくなるな」



私の声、というより 呟きに近い声を聞いて



「涼さん、離れて下さい。瀬南ちゃんが嫌がってます」



呆気に取られていたらしい翔さんがようやく助けてくれた。



私は ぐい、と胸板を押し返す。


それでも全く動かない涼さん。



嫌悪感からなのか、目に涙が込み上げてくる。



『っ…しょう、さん!』

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