第122話

金髪の人はほんの少し、口の端に笑みを浮かべた。

「……あぁ」


そう言うなり助手席の人が興奮したように話し始める。

「うっわぁー!!!ちょっと!ヨウさん今の聞きました!?あのコウが!助けたかったから、ですって!!

しかも笑ってましたよ!?!?明日は槍が降るかもしれない…!!」


すると運転席の人が答える。

「あぁ、聞いてた、聞いてたから。声のボリューム落とせ。はぁ…ったく、これだからチカを隣に乗せるのはやなんだよ…」

と、ため息をついていた。


運転席の人と、私を横抱きにしている人。

顔はよく見えないが声がすごく似ていた。



……この人たちは、あいつには関係なさそうだな。

良かった…そう、心の中で安堵の息をついた。

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