第120話
万が一、あいつだった時の場合に備えて逃げる体制をとっていた。だが、そんな私に降ってきたのは
「………おい」
よく通る低い声。そして同時に手首を掴まれた。
『ひっ…!!』
柄にもなくいきなり掴まれた手首に怯えてしまった。無意識のうちに体が後退していた。
そんな私の様子を見た金髪の男は
「……何もしねぇよ。乗れ」
そう言った。
確かに、私はさっきまで誰か乗せてくれないかな、なんて考えていた。でも車の中にいる金髪のこの人は、信用しても大丈夫なのだろうか…?もしかして、あいつの仲間で連れ戻されたりとか…有り得なくはないし…
小さい脳をフル回転させながら考える。
そんな時にグイッと体が引っ張られた。
「さみぃんだよ…早く乗れ」
気が付くと、その人に引っ張られ後部座席に座っていた。
……いや、その人の上に横抱きにされていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます