第116話

さすがに、今のは危なかったなぁ…

そんなことを呑気に考えつつ、外への扉を開いた。


外には大きな門があり、その両端に屈強そうな男が一人ずつ立っていた。これは、どう切り抜けよう…そう思っていると、私に気付いた一人が駆け寄ってきた。


「瀬南様…?どうしてこんなところに、お部屋にお戻り下さい!!」

そう言いながら私の背中をグイグイと押してくる。


『あのっ…足、怪我しちゃって…おんぶとか、してもらえませんよね…?』

そう言うと、その男はかなり悩んだ上で


「今回だけですよ!?おんぶなんて、若に知られたらどうなることか…どうか、内密に」

私が乗りやすいように、しゃがんで背中を向けてきた。

首に手を回すフリをして気絶させる。ごめんなさい。


あと、一人…

私はもう一人の門番に駆け寄り、

「あの、あそこのお兄さんいきなり倒れちゃって…!助けて下さい!」


そう言った。

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