*瀬南side
第113話
逃げなきゃ、あいつに捕まる前に…!!
その言葉に支配され、ロングのニットワンピース一枚に裸足という格好で街を駆け抜けていた。そろそろあいつも気付いた頃だろうか。
ザワザワと街が騒がしく、色々な方向から怒鳴り声や複数の走る音が聞こえてくる。
「絶対に見つけ出せ!」や「傷付けるな!」そんな声が聞こえる度に、あぁ、これは私に向けられた言葉なのか、と思いもう動こうとしない足を必死に動かす。
すれ違う人々の何事だ、という顔も初めは恥ずかしかったがもう何も感じない。とにかく遠くへ逃げるんだ。
このあたりで病院と言ったらここから三つ街を越えた先の大病院しかない。きっと涼はそこにいる。
そしてその街には皮肉にも、私がいた孤児院がある。
涼に会えたら、双子にも会いに行こう。
そんなことを考えながらひたすら走る。足の裏はとうに感覚がなくなっている。
……そもそも、どうしてこんなことになっているかというと。
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