第112話

そんな中、

「あ、の…若……この事は、涼様にお伝えしますか…?お伝えするならば、ご連絡させて頂きますが…」


一人の部下が尋ねてきた。



……そうか。いい事を思いついた。


「いや。涼には伝えるな。後一時間したら、見つからなくてもせなの捜索は止めろ」


フッ……俺は、本当に悪知恵だけは働くようだ。

その言葉を聞いたそいつは目を見開き驚いていた。


「しかし…本当に宜しいのですか?涼様はともかく、捜索を止めるなど…」


「あぁ。それでいい。」



楽しい鬼ごっこになりそうだ。

……この勝負に勝つのは俺だ。それまで楽しめよ?せな…

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