第109話

電話の向こうで組員が指示を出しているのを聞き、電話を切った。



「くそっ…!!!せな…お前は俺のモノだ…!!

絶対に捕まえてやる…逃がさねぇ…」



爪がくい込むまで強く手を握りしめ、呟いた。



そんな様子を見て、部下は心の中で願う。


(どうか、瀬南様が無事に見つかります様に……

瀬南様には申し訳ないですが、若がどうなることか…!!)



運転手は屋敷への道を猛スピードで走った。

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