第91話

奥の部屋に通された私は、フカフカのソファへと座らされた。その人は備え付けであろう冷蔵庫からリンゴジュースを取り出し、私の前のテーブルへと置いた。


「ごめんね、あいつらうるさくて。リンゴジュース好き?」


『はい、好きです!ありがとうございます』


そう答えると、


「早速だけど、話聞かせてもらってもいい?

俺は翔、君の名前は?」


『瀬南、です。松山瀬南。』


「瀬南、ね。それで、お父さんが分からないってどういうこと?」


『実は、私のお父さんを探しに来たんです。私は今、孤児院にいるんですが、お父さんと暮らしたくて』

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