第90話

手を握るとその人は歩き始めた。どこかに向かっているのかな?


五分も経たないうちに、目的地へと到着したみたい。



入口の扉を足で開け放ったその人は、


「奥の部屋借りま〜す」


飄々とした態度で私を中へと入れた。手を引かれながら歩いていると色んな人が声を掛けてくる。


「お〜い、翔、隠し子か〜??」


「翔くん…?その子誰…??」


「お前、遊び過ぎてついにロリコンになったのか?」


……などなど。



それでも翔(しょう)というらしいその人は、


「んなワケねーだろ?俺まだ20歳なんですけど〜」


「秘密〜、てか俺も分かんない」


「黙れ変態ジジイ」


と、笑いながら返していた。

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