第88話
………抜け出したのはいいものの、どこへ行けばいいんだろう?何の考えもなく飛び出した自分の浅はかさにダメージを受けた。
とりあえず、繁華街へ行こう。人が多い所なら少しでも手掛かりを掴めるはず!そう思い立った私は、夜の街へ駆け出した。
---キラキラと光る電光掲示板、夜中にも関わらずザワザワと騒がしく、綺麗に着飾った女の人や高級そうなスーツを着こなした男の人。
子供の私は、初めて見る夜の街というものに魅了されていた。
「ねぇ、どうしたの?迷子?」
ボーッと突っ立っていた私に男の人が声を掛けてくれて、その声で我に戻った。
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