*瀬南side

第54話

涼に避妊薬を貰ったその日から、私を抱きにくるあいつは必ず中に出すようになった。




・・・・・・私がどんなに抵抗しても、だ。



それに、抵抗しようとするとあいつは決まってこのセリフを吐く。



「俺の言う事は?」



と。


そう言われた時には、すぐに


『絶対』と答えなければいけない。一度だけどうしてもあいつの言うことに従いたくなくて、答えなかったことがある。





・・・・・・その日は最悪だった。私が苦しさに意識を飛ばしたいと願うことすら許さないとでもいうような激しさだった。



漸く解放されたのは昼近く。半日以上あいつに抱き潰されたのだ。




さすがにあの時ばかりは、妊娠したのではないかと不安になった。

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