第33話

涼のキスに驚いた私は、そのまま固まってしまった。



「……大人しくしてろ」


そう、耳元で優しく囁かれ私は気を緩めてしまった。




次の瞬間、






ちゅう、とヤラシイ音を立てて私の肌を涼が吸い上げた。



『やっ…!消すってこういうこと…!?』



私が涼にそう言うと、見えない視界の奥で




「消すっていうよりも俺の痕に付けかえる、って言った方が正しいかもな」



なんて笑う涼の姿が見えた。………気がした。

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