第25話
焦りに焦った私は、つい、
『入ってこないで!』
と、涼を怒鳴るように言ってしまった。
それなのに涼は、
『瀬南…?どうした?大丈夫か?』
と、優しい声で聞いてくる。
焦った私はとにかく、
『お願い…入ってこないで…』
と、繰り返すことしかできなかった。
涼の気持ちなど一切考えず。
「……悪い。瀬南だって1人になりたい時くらいあるよな。俺、今日は帰るわ」
そうドアの向こう側から聞こえてきた時、私は思わず裸にバスタオル1枚の格好でドアに駆け寄っていた。
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