第17話

決心がついたのか、ようやく瀬南は話し始めた。



『実はね…最近よく眠れなくて…』



「眠れない?なにか不安なことでもあんのか?」



そう聞くと瀬南は表情を雲らせた。



『夢の中でも、あいつが私を捕まえようと追いかけてくるの。どんなに必死に逃げても最後は必ず捕まって、私はあいつに犯されるの…』



俺は瀬南と…の関係は知っている。あの瀬南が泣いていた日、教えてくれたからな。



「瀬南……」



だからこそ俺は瀬南に何と言っていいか分からずに、名前を呼び頭を撫でてやることしかできなかった。

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