第5話 不思議な双子!?
「ドン引きしてるぞ? ジョシュ」
「ごめんなさい。変な人で、びっくりされましたよね。おねえ様」
賭けとか、頭にかぶった親友とか、いろいろ追いついていない私に、ローブの「小さな子」たちが近づいてきて、リボンの子が話しかけてきた。
小さくて、私を見上げるかたちの二人だけど、相変わらず二人ともフードを目深にかぶっていて、表情どころか顔も見えない。
でも。おねえ様とか、初めて言われちゃった。
「おいらは、プッチ。よろしくな、ねえちゃん」
「わたしは、サンドラと申します。よろしくお願いします、おねえ様」
プッチさんはローブに包まれた右手を挙げて、サンドラさんはローブの裾をつまんで、かわいらしく挨拶してくれた。
……かわいい。
「プッチさんと、サンドラさん。私は、フラウワ・ブーガンヴィルっていいます。よろしくお願いします」
「硬いなぁ。さん付けなんてやめてよ。フラウワねえちゃん」
「そうですよ? わたしたちなんて、まだ生まれて数年なんですから。フラウワおねえ様」
「え…っと、じゃあ、プッチ君とサンドラちゃん。私のことも、『フラウ』って呼んでくださいっ」
……あれ? 生まれて数年?
「あははっ、プッチ君とサンドラちゃん、だって。変なのっ、おいらたちのガラじゃ…」
ぽこっ。
「失礼なこと言わないのっ。ごめんなさい、この子ったらまだ子どもで。フラウおねえ様」
サンドラちゃんがローブで包まれた手で、プッチ君の頭を叩いた。
ホントに「ぽこっ」って音がした。どうして布越しにあんな音がするのかはわからないけど。
「いてぇっ! 同じ日に生まれたんだ、おいらだけ子ども扱いすんなよなっ。サンドラ」
「十分、子どもじゃない。それに、わたしのほうが先に目覚めたんだから、おねえさんよ? プッチ」
頭をさすりながらバタバタするプッチ君と、両手を腰にあててエッヘンするサンドラちゃん。
かわいいなぁ。顔が緩んじゃう。また、なんか気になること言ってたけど。
「そういえば、お二人、すごい武器使ってましたけど、あれは……?」
こんな小さな子が、あれだけの動きができるのも驚きだったけど、何より使ってる武器が特殊だった。一応、私も元軍人だし、ちょっと興味がある。
……と、いうか、プッチ君もサンドラちゃんも、手ぶらに見える。
あんな大きな武器、どこにいっちゃったんだろ?
「ああ、これ? いいだろー。フラウねえちゃん」
「プッチは
二人して、ローブの中から武器を引っ張り出して見せてくれた。
そこに入ってたの!? ぜったい無理だと思うなっ!
身体より大きな武器を軽々と掲げて、得意げに見せてくれる姿はかわいい……けど。
なんだかいろいろ不思議な子たちだなぁ。
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