このような経緯にも触れておかないと、書面に真剣味がなく、モニターに選出される芽もなくなるだろう。

 悠真は、そのように四年前の記憶をたどりつつ、丁寧に全項目を埋めた。


 そしてその5日後、悠真が待ちわびていた「Tトラベルサービスからのお知らせ」のタイトルで始まるメールが届いた。

 恐る恐る開けたメールには、書面による審査をパスしたとの旨がある。彼は、思わず空いた手で拳を握り、小さくガッツポーズを取った。

 

 必要となる身体検査のため、まずは都内の指定病院に行くよう案内が出ている。

 電話で予約してから当日総合受付を訪れると、そこから手際よく複数の科に回され、診察や検査を受けた。

 最後の内科で、朝一番に撮ったCTの画像をモニターに映しながら、サービスを受けるには問題はなさそうだと医師から伝えられた。

 この検査結果はTトラベルサービス社と共有することと、再び案内メールが届くのを待つよう説明があり、その日はそこで帰路に着いた。

 

 さらにその1週間ほど経て、その案内メールが悠真のスマホに届いた。

 検査結果を精査した結果、トラベルサービスを受けることに支障となる異常は見られないため、サービス日時の予約へ進むよう指示が出ている。


 トラベルは、原則六時間拘束されるとのことで、リンク先の予約専用サイトを開けて特定のメニューをタップすると、現在のサービス予約可能時間の表が表示された。

 サービス利用者の多くが仕事休みの土日に予約を入れているせいか、再来週ならようやく週末の空きが見られるといったあんばいだった。

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