第118話

”相原総合病院”




全国的にも有名でとても大きいこの病院は、真於くんとかおちゃんのお祖父さんが院長をしているらしい。




昔そのことを知った時、真於くんに「じゃあ真於くんもお医者さんになるの?」と聞いたところ、「医者になんか死んでもならねぇ。」と心底嫌そうに言っていたのを覚えている。






それをかおちゃんに言えば、





「まぁ…、真於とおじい様、別に仲悪い訳じゃないのよ?孫を溺愛してるおじい様を、真於が一方的に嫌ってるだけなのよ。」





と、面白そうに笑いながら教えてくれた。





そういえば確かに、たまに病院の中で会ったら話しかけてくれる院長先生には、会う度に真於くんの様子を聞かれるなぁ…、と思い出していれば、






「さてココちゃん。早速カウンセリング、始めよっか。」






机の上の書類を見ていたかおちゃんが、私の方に向き直りながらにっこり微笑んでそう言ってきた。






『…うん。よろしくお願いします。』






何故か畏まった言い方になったけど、私もペコっと頭を下げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る