episode.8
第117話
「ココちゃん、1ヶ月ぶりね。調子はどう?」
そう言いながら優しく微笑む綺麗な女の人は、私の”カウンセラー”の先生。
土曜日で学校がお休みの今日、私は、月に1度あるカウンセリングに来ていた。
『お久しぶりです、香緒里(かおり)先生。』
丸椅子に座りながら笑顔を返せば、その綺麗な顔が拗ねたような表情に変わる。
「もうー、そんな他人行儀な口調やめてちょうだい。いつもみたいに呼んで欲しいわ?」
口を尖らせながら横目で見てくる先生に苦笑しながら、
『…かおちゃん?』
小さく名前を呼べば、嬉しそうに顔が綻ぶ。
「もうほんと可愛いわねココちゃん。でも、次からちゃんとそう呼ばないと、返事してあげないからね?」
悪戯っぽくウインクしてくるかおちゃんに、相変わらずだなぁ、と思いながら、「はーい…。」と返事を返した。
この人は、いつも私のカウンセリングを担当してくれている、相原 香緒里(あいはらかおり)先生。
2年前、私がこの病院に入院してた時からずっと私の担当の先生で、もう1つ、
「ったく、真於ったら、全然ココちゃんの学校での様子教えてくれないのよ?本当、困った弟だわ。」
真於くんの、お姉さんでもある。
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