第71話
どうしたんだ?どこか怪我してるのか?
そう思いながら急いで近付いて行けば、俺の方を見ながら何かを呟いたかと思えば突然膝から崩れ落ち、その場にしゃがみ込んでしまった。
どこか苦しそうに荒い呼吸を繰り返し、尋常ではないほど身体が震えている。
必死に震えを抑えようとしているのか、自分の身体を両手で強く抱き締めていた。
『っ、おい、大丈夫か?』
心配でそう声を掛けるが、返答はない。
どうすればいいんだ…?
そう考えている間にも、症状はどんどん酷くなるばかり。
『おい!』
と、もう一度強く呼びかけ、とりあえず落ち着かせようと肩を掴んだ瞬間。
「いやぁぁぁぁっ…!!」
そんな悲痛な叫び声をあげ、プツンと糸が切れたように気を失った。
地面に倒れる寸前で、咄嗟にその身体に腕を回して受け止める。
…今のは何だ?何が起こったんだ?
何が起こったのか分からず頭の中が混乱しているが、ずっとこのままここにいる訳にもいかねぇ。
そう思い、グイッと身体を抱き上げて立ち上がる。
身体の震えは治まったものの、まだ呼吸は荒く、時折前髪の隙間から覗く顔は青白く、眉間には皺が寄せられていた。
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