「なっ…、」

『…分かり、ました。一緒に行きます。』

反論しようとした依里ちゃんの言葉を遮って、そう答えた。

私が大人しく付いて行けば丸く収まる。私のせいで、依里ちゃんに迷惑はかけたくないの。

「心音、いいの？」

ボソッと耳打ちしてくる依里ちゃんに、

『大丈夫だよ。』

と返す。

「…はぁ、分かった。何かあったら言いなさいよ？私がぶっ飛ばしてやるから。」

拳を握り締めながらそう言う依里ちゃんに、思わず笑みが零れる。

「…じゃあ、行くぞ。」

『はい。』

そう言いながら教室を出て行く男の人に続いて、私も教室から出た。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい