第46話
『…っ!』
目が合った事にびっくりして、すぐに目を逸らした。
何でこっち見てたんだろう…。まさか、コンビニで会った事覚えてたのかな?
そんな事を思っていれば、
「…桐咲 心音だな?」
目の前からそんな声が聞こえて、反射的に勢いよくバッと顔を上げれば、あの男の人がすぐ近くに立っていて私を見下ろしていた。
ただそれだけなのに、一瞬で身体が強ばってドクドクと脈打つ心臓。
…怖い。
でもそんな気持ちを必死に隠して、
『そう、ですけど…、何かご用ですか?』
震えそうになる声を何とか抑え、冷静を装ってそう聞いた。
「いきなりで悪いが、一緒に来てもらいてぇんだ。」
『え…、』
そんな言葉を言われるとは思ってなかった私は、言葉を失ってしまった。
「ねぇちょっとアンタ。いきなり来て何?そう言われてはい分かりました、って大人しく付いて行くとでも思ってんの?」
固まってしまった私を見兼ねて、代わりに依里ちゃんが庇うように前に立って、そう言ってくれた。
その依里ちゃんの態度に一瞬驚いたように目を見開いた男の人だったけど、
「お前に用は無ぇ。…付いて来ねぇって言うんなら、無理やりにでも連れて行くが?」
スっと目を細めながら、脅すような声色でそう返ってくる。
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