episode.4

第45話

あれから、早くも2週間経った。




その間も見つかる事は無く、いつもと変わらず平和に過ごしていた。




このまま諦めてくれないかな、と思うけど、今日も探す為に走り回っている男の子達を見て溜息を吐いた。




…何で、私なんかを探しているのだろう。一瞬会っただけで、喋ってもいないのに。




未だにその答えは分からないまま、疑問だけが頭の中に残っていた。




見つかったら、私はどうなるんだろう。得体の知れない恐怖がずっと心を支配している。





「大丈夫よ心音。そのうちあいつら諦めるわよ。」





そんな私の不安を感じ取ったのか、依里ちゃんがそう言いながら私の不安を取り除く様に優しく頭を撫でてくれた。





『…ありがとう依里ちゃん。』





少し心が軽くなった気がして、笑顔を向けた。





「相変わらず今日も可愛いわね心音…。」





依里ちゃんが小さくそう呟いたのが聞こえ、可愛くないのにな…と心の中で否定していれば、突然教室の入り口の方がザワっと騒がしくなった。





「何ようるさいわね…。」




そう言いながら眉間に皺を寄せて入り口に視線を向ける依里ちゃんに倣って、私も顔を向けた。





すると、1人の男の人が入り口付近に立っていて、「お疲れ様です!」「どうされたんですか?」などと声を掛けられていた。





「…げ、あの男。」





何故か顔を引き攣らせる依里ちゃんを視界に入れながら、私はあれ?と首を傾げた。





あの”赤髪”の男の人、確かコンビニの…。





あの時の男の人だよね?と思いながら見ていれば、バチッと目が合った。

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