第41話
「まぁ、その格好をしてればそう簡単に気付かれる事はないでしょうけど、油断は出来ないからいざとなったら私が守るわ!」
『依里ちゃん…、ありがとう。』
どこまでも優しい依里ちゃんに、自然に笑顔が浮かぶ。
「っ…!!可愛すぎる!」
すると、そんな事を言いながら突然ガバッと抱き着いてきた。
『依里ちゃん…。』
「…私は、いつでも心音の味方よ。それだけは忘れないでね。」
私の耳元でそう小さく呟く依里ちゃんに、ありがとうと言う代わりにギュッと抱き締め返した。
それから、今日はもう教室には行かずに空き教室で過ごそうという事になり、放課後まで依里ちゃんとご飯を食べたり喋ったりして過ごした。
「じゃあね心音、また明日!」
『また明日ね!依里ちゃん!』
いつもの場所で依里ちゃんと別れ、家へと足を進める。
誰にも見つからず無事に帰れる事に一安心して、安堵の溜息を吐く。
学校を出る時に”私”を探し回っている不良達が大勢居たけど、誰も私に見向きもしないで素通りしていった。
まぁ確かにこんな地味な私があの”探されてる女”だとは夢にも思わないよね。その先入観はこっちにとっては好都合。
…やっぱり、この格好は色々と便利だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます