第40話

「いーえ!心音は自分の可愛さを分かってないのよ!!」





そう言いながら、私の可愛さについて何度も力説してくる依里ちゃん。





『もういいよ依里ちゃん!恥ずかしい…。』





私が可愛いというのはいまいち分からないけど、そんなに何度も言われたらさすがに恥ずかしくなる。




そう訴えれば、やっと止まってくれた。





それにしても…、一目惚れというのはひとまず置いといて、探されてるのは間違いない。





もし見つかったらどうなるんだろう…。想像出来ないから余計に怖い。





…それに、もし不良の部類に入る人と関わってしまったら、”あの人”に居場所がバレるかもしれない。それだけは絶対に嫌。だから関わりたくない。






『依里ちゃんどうすればいいのかな?…絶対に、関わりたくないの。』





俯き気味にそう言えば、何か言いたげな顔をした依里ちゃんだったけど、何も聞かずに、





「よし!それならほとぼりが冷めるまで逃げ切ってやろうじゃない!!あんな奴等に捕まったら、一瞬で心音が食われてしまうもの!!」





そう言ってくれた。





『く、食わ…?』





”食われる”という意味は分からないけど、何も聞かないでいてくれる依里ちゃんの優しさが嬉しかった。

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