第26話
大和さんの妹とはいえ、今まで興味も無かった、しかも今日初めて会った女。
…自分でも、何で知りたいか分からねぇ。
でも、あの子の姿が頭から離れない…。
『それ、は…。』
言葉が詰まる俺を見て、
「…まだ、気付いてねぇんだな。」
ボソッ、と大和さんが何かを呟いたのが聞こえた。
『え?』
小さすぎて聞き取れず、そう聞き返したが、
「いや、何でもねぇよ。…それは、この先お前が自分自身で気付くことだ。」
『え…。』
その時は、そう言う大和さんの言葉の真意に気付くことは出来なかった。
それに気付くのは、もう少し後の話―――。
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