第21話

「あぁ、今まで言ってなかったけどな。まぁ、とりあえず早く入れよ。」






ずっと玄関先にいる訳にもいかず、大和さんに促されるまま中に入る。






『お邪魔します。』






「おぉ、入れ入れ!先にそこのリビング行ってろよ。俺は2階にいる妹とちょっと話してくるからよ。」







そう言いながら階段を登って行った大和さんの背中を横目に、教えてもらったリビングらしい部屋のドアを開けた。





中に入れば、必要最低限の物しか置いてなく、白と黒で統一された、モノトーンなシンプルな部屋だった。






キッチンの横を通り過ぎれば、テレビが付いているのに気が付いた。







…妹が見てたのか?







そう思いながらテレビの方に近寄ってみれば、ソファーからスースー寝息が聞こえる。






そっと覗き込めば、ソファーに横になって寝ている女がいた。






大和さんの、妹…だよな?





いつもは女になんて興味の欠片もないが、何故か、その後ろ姿に興味を惹かれた。





その女の顔を見ようと正面に回り込めば、






『…っ…。』







思わず、息を飲んだ。







今まで見てきた女なんて比べものにならない程、綺麗に整った容姿をしている。






大和さんも、男の俺から見ても整った容姿をしているが…、それ以上だな。

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