第14話
そんな思いを押し込め、
『…あの人、お兄ちゃんの知り合いなの?』
お兄ちゃんの顔を見上げながら、気になっていた事を聞いてみた。
「あぁ、アイツは俺の後輩だ。仕事帰りたまたま街で会ってな、久々だったから色々話そうと思って家まで連れて来たんだが…。悪ぃ、ココいつも俺が帰るまでは自分の部屋いるからさ、リビングにいるとは思わなかったんだ。…ほんと、悪かった。」
眉を下げて、後悔を全面に押し出したような顔をするお兄ちゃんに、安心させるように笑顔を浮かべた。
『だから、私は大丈夫だって!そんなに自分を責めないで…?』
お兄ちゃんは、いつも自分を責める。
あの時だって、自分のせいだと言って自分を責めていた。
今でも、自分を責め続けているお兄ちゃんに何回、もう自分を責めないで、と言ったか分からない。
でも、何回でも私は言い続ける。
そうしないと、お兄ちゃんの心が壊れてしまう。
…私は、あの時にもう壊れてしまったから。
だからお兄ちゃんには、壊れてほしくないの。
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