episode.2

第10話

いつもと同じ様に放課後を迎え、依里ちゃんと一緒に学校を出た。





それから途中で依里ちゃんとは別れ、1人で家路につく。







家に帰れば、お兄ちゃんはまだ仕事らしく居なかった。







一人きりの家。今となっては慣れたもの。






自分の部屋にカバンを置いて、お気に入りのルームウェアで、上下セットアップのモコモコの短パンと長袖に着替える。





それから最後に、メガネを外して、前髪を軽くピンで留め上げれば、”お家スタイル”の私の完成。





視界が明るくて広い…。やっぱり家が落ち着くなぁ。






外では、顔が見えない様にするのに気を遣いすぎて疲れてしまう。





唯一、ゆっくり気を抜いて落ち着ける場所が家だ。






そして、自分の部屋からリビングに移動して、ソファーに座った。





テレビをつけて適当にチャンネルを回して、面白くも何ともないニュース番組をボーッとしながら眺める。












――――「続いてのニュースは、昨夜22時頃、○○市の路地裏で、17歳の女子高校生が何者かによって”性的暴行”を加えられた様子で、気を失った状態で発見されました。なお、少女には精神的に深い傷が残っており話を聞くのは困難で、捜査は難航している模様です。」












テレビから流れてくるそんなニュースを聞きながら、スっと身体を横に倒してソファーにボスンっと倒れ込んだ。







そして目を瞑る。








だんだんと意識が遠のいていくのを感じながら、どんどん酷くなっていく頭痛に眉を寄せた。
















…あぁ、頭が痛い。










プツン、意識が途絶えた。

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