第91話

何でまたよりにもよってめんどくせぇ奴が…。つか何の用だ?





そう考えている間にも、どんどん激しさを増していく音と声。





あー、くそ。と半ばやけくそに頭を掻きむしり、もうどうにでもなれ、と諦めて鍵を開けた。





「もうー!遅いよ燐ー!あとちょっと遅かったらドア蹴り飛ばしてたよー?」





そう顔を膨らませながら入ってきた藍都の後ろには、羅依と凌央、さらに友季までいて思わず眉間に皺が寄る。





…藍都だけかと思えば、全員勢揃いじゃねぇかよ。





『で、全員お揃いで何の用だ?』





入ってきて早々、何かを探すようにキョロキョロと目線を動かしている藍都にそう言えば、





「ねぇ燐ー?」





にっこぉ、と効果音がつくぐらいの笑顔で振り向いてきた。





『何だよ。』





それに警戒心を抱きつつも普通に返した途端、スっと一瞬でその表情を消して無表情になった藍都は、





「僕に、嘘…ついたよね?」





こてん、と首を傾げながら、そう言ってきた。
















…あ、やべぇなこれ。






内心、そう呟かずにはいられなかった。











燐side end

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