第66話

そして、その女達はそのまま私も視界に入れ、一瞬でその顔を嫌悪に歪めた。





「ブス!調子に乗ってんじゃねぇよ!」


「藍都くんから離れろよ!」





次々に私を罵倒する言葉が飛んでくる。





チッ…、うるさい女達だ。どう見ても私からくっ付いてる訳じゃないのに、お前ら目腐ってんのか?





さすがにイラッとして内心愚痴を吐きまくっていれば、隣のキャラメルの雰囲気が黒くなったのが分かった。






「…うるっせぇんだよてめぇ等。耳障りだ、消えろ。」






可愛い顔立ちとは裏腹に、低くドスの効いた声でその女達に向けて吐き捨てるキャラメル。





「…っ!」





キャラメルにそう言われた女達は、悔しそうに私をひと睨みしながらも走り去っていく。





…あの様子、多分毎朝机の中に入っている紙はあの女達の仕業だな。全く、幼稚なことをするものだ。






「ねぇ琶來!あんな女達の言うことなんて、気にしないでね?」





先程のドス黒いオーラを消し去り、いつもの可愛いキャラでそう言ってくるキャラメルに、思わずピクっと頬が引き攣った。二重人格かこいつは。






『…別に。』





そのことには触れずに淡々とそう返せば、わらわらと他の3人も集まってきて更に顔が引き攣る。





「神堂さん、お久しぶりですね。いつも食堂なんですか?」





今日も紳士的な口調でそんな言葉を投げ掛けてくる青メッシュに、「まぁ。」とだけ返す。





金メッシュは、素早くキャラメルとは反対側の身体にくっ付いてきた。





赤髪は、青メッシュの横で無言で私を見下ろしながら、眠そうに欠伸をしている。





何なんだお前らは。特に用事がないなら必要以上に絡んでくるな。

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