嫌がらせという名の嫌がらせ

第61話

あの日、もとい屋上に連れて行かれた日から数日。




…私は疲れ切っていた。




その原因は、言わずもがな”あいつら”のせい。





「また今日も来るのかしら?あいつら。」




今日もいつも通り登校して教室に向かう途中、真梨がそう聞いてきた。





『…知らないわよ。』





溜息を吐きたい気持ちを抑えながらも答える。




真梨が今日”も”と言った意味は、言葉の通り。



屋上に行く事を断ったはずなのに、何故かあれからほぼ毎日私の教室に現れるようになったあいつら。主に、キャラメルと金メッシュだけど。



最初は屋上に来るようにと説得されると思ったのだがそんな事はなく、ただただ付きまとってくるだけ。…こいつらは何がしたいんだ?と思ったのは記憶に新しい。







”諦めねぇぞ”






屋上を出る時に聞こえたあの言葉は、こういう意味だったのか…?




そう考えていれば教室が見えてきた。




いつも騒がしい教室が、いつも以上にうるさい。




…嫌な予感がする。恐る恐る教室の中を覗けば、案の定キャラメルと金メッシュが私の席の周りに居座っていた。





何でこんな早い時間から登校してきてんだお前らは。くそ、最悪だ。






『…真梨、今日はもうこのまま空き教室行…、』





”行くわ”と言いかけた時、キャラメルとバチッ、と目が合ってしまった。





…やってしまった。





「琶來ー!おはよー!」






案の定、満面の笑みでそう言いながらこちらに突進してくるキャラメル。その後ろには金メッシュもいる。

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