第60話

「…まぁ、そう言うと思っていました。どうします?羅依。」





やっぱり、という様な表情をしながらそう言う青メッシュは、赤髪に視線を向けた。





目を向けられた赤髪は、一瞬面倒くさそう顔をしたが、





「何で嫌なんだ?」





そう言ってきた。





「そうだよ、何で嫌なのー?僕琶來と毎日一緒に居たいのに…。」





「…俺も、毎日一緒に居たい。」





悲しそうな顔をしながら、金メッシュとキャラメルもそう言ってくる。




そんな中、茶髪だけは1人面白そうな顔をしながらこちらを傍観している。





何で嫌なのかって…、





『毎日ここに来る理由が、私には無いからよ。それに、あんた達と関わりたくないの。…もういい?これで用は済んだわよね。帰らせてもらうわ。』





淡々とそう言って、踵を返しドアの方へと向かう。





こんな奴等と関わったら、確実に面倒事に巻き込まれる。そんなのはごめんだ。





そう思いながらガチャ、とドアノブに手を掛けた時、






「…俺は諦めねぇぞ。」






そんな声が聞こえた気がしたが、気付かないふりをしてそのまま屋上を出た。

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