第57話
無言でつかつかとキャラメルの元まで歩いて行き、そんな私に少し怯んだ隙をついて、ガシッと胸倉を掴んだ。
「なっ、離せ女!」
そう言いながら抵抗するキャラメルに、
ガンッ
思い切り、頭突きをかましてやった。
生憎石頭の私には何のダメージも無い。
そして胸倉を離せば、
「痛ったぁ!!」
そう叫びながら額を抑え、私の足元に蹲り悶絶しているキャラメル。
周りの奴等は、突然のそんな私の行動に絶句していた。
そんな奴等には目もくれず、何か言いたげに涙目で見上げてくるキャラメルを冷めた目で見下ろし、
『…私を、あんなくだらない女達と一緒にしないでくれる?あんたが女嫌いなのはどうでもいいけど、そんな偏見を私に押し付けてくるな。次また、そんな言葉吐いてみろ、もう一発頭突きかましてやるからな。』
少し言葉遣いが悪くなってしまったが、気にせずそう吐き捨ててやった。
そんな私の言葉にポカン…、と放心状態に陥っていたキャラメルだったが、次の瞬間には何故かパァーっと顔が明るくなり、勢いよく立ち上がってギュッ、と私の腰に抱き着いてきた。
「僕も気に入っちゃった!」
挙句の果てにそんな事まで言い出して。
『…は?』
思わず間抜けな声が出てしまった。
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