第54話
そして逸らした視線は、そのまま赤髪と交わる。
その瞬間、ドク、と一瞬心臓が高鳴った様な気がした。
今のは何だ…?と少し気になったが、発作では無かった為特に気にする必要は無いか、と思う事にした。
そして赤髪と交わっていた視線も逸らし、今度は青メッシュに視線を移す。
『…で、いい加減、私を呼び出した理由を教えてもらえる?』
早く用件を言え、という意味も込めてそう言えば、
「あ、そうでしたね。…羅依。」
思い出したかの様にそう呟き、”らい”、と恐らく赤髪の名前を呼んだ。まるで、”自分で説明しろ”と言ってるみたいに。
…やっぱり、こいつが私を呼んだ”総長”か。
この男だけ、他の奴等とはどこか違う雰囲気なのを感じていた。…私の予想は的中したようだ。
「…あぁ。」
名前を呼ばれた赤髪は、一言そう呟いてから、
「明日から、毎日ここに来い。」
そんな事を、口にした。
『…は?』
私は、それだけしか言葉に出来なかった。
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