第52話

そして、ガチャッ、と青メッシュがドアを開けた。





少し眩しい太陽の光に思わず目を細めながら中に視線を滑らせれば、地べたに座っていたこれまた見知らぬ男達と目が合った。





すると、





「…遅ぇ。」





その中の1人、赤い髪をした男が不機嫌そうな声でそう言ったのが聞こえた。






…あれ、この声、それにあの赤い髪。





その声と赤い髪に、どこかで聞いた事がある様な見た事がある様な感じがした。





どこだったか…、と考え込む私には気付かずに、





「すみません、遅くなりました。予想外に説得に時間がかかったのと、凌央が気に入ってしまって離れなかったもので。」





そう言う青メッシュ。もう1人の金メッシュは、変わらず私の隣にピタッと張り付いたまま。






そうすれば、そんな青メッシュの言葉を聞いた瞬間、






「…あ?」





さっきより低音の声でそう呟き、私を見ていた視線を隣の金メッシュに移し、






「…おい、凌央。そいつから離れろ。」






そんな、意味不明な言葉を口にした。







この男…、赤髪は何言ってんだ?と最初はそう思った私だったが、途中で、










”おい、その手離せ”












頭の片隅に埋もれていた記憶の中にあったそんな声が脳内に流れ、そこであ、と思い出した。








…この赤髪、昨日の。

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