私が後ろの金メッシュにそう言えば、

「……やだ。」

そんな拒否の言葉と、さっきよりも強い力が返ってきた。

…は？待て待て待て。何だやだって。

そんな可愛く言ったところで私にしたら初対面の知らない男。間違っても可愛いなんて思えない。

『やだじゃない、離して。』

「やだ。」

『離して。』

「やだ。」

『…離せっつってんだろ。』

繰り返し「やだ」と言って離れない金メッシュに私の我慢も限界に達し、無意識に声が低くなり冷めきった声色でそう吐き捨てても、頑なに抱き締める腕を緩めようとはしない。

…何なんだこいつ。

てか…、

『…ちょっと、あんたの仲間でしょ？笑ってないで何とかしなさいよ。』

さっきから目の前で私達のやり取りを見ながらクスクス面白そうに笑っている青メッシュを睨みつけながらそう言う。

…ついでに同じ様に爆笑してる真梨にも鋭い視線を向けてやった。

「…っ、すみません。こんな凌央は初めてで、つい面白くて…。凌央、その状態では動けないのでいい加減離れてあげて下さい。」

何が面白いだ。こっちからしたら何も面白くないんだけど。

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