第37話

無意識にじっと見つめていれば、その女はすぐに興味を失くしたかの様に目を逸らし、そのまま机に突っ伏して動かなくなった。







しばらくその姿に魅入っていた俺は、







「…急に立ち止まって、どうかしたんですか?」






という、仲間の声で我に返った。







『…っ…、いや、何でもない。』







そう言って、再び歩き出す。





後ろで仲間が怪訝そうな顔をしていたが、気付かないフリをした。








あの女…、俺等の事を見ても興味なさそうにしてたな。








それからしばらくの間、あの女の事が頭から離れなかった。










俺が今までで唯一、気になった女だった。

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