第35話
…ナンパか?くだらねぇ。
そう思いながらも、声のした方に視線を向ければ、いかにもチャラそうな男が一人の女の腕を掴んでいる所だった。
よく見れば、俺と同じ学校の制服を着ていた。
『…チッ、面倒くせぇな。』
そう呟きながら、仕方なく近付いていけば、だんだん女の顔がはっきりと見えてくる。
そして、その女の顔を認識した瞬間、思わず目を見開いた。
『…あの女……。』
その女は、見覚えのある女だった。
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