第31話

でも私は、昔から父に鍛えられていてある程度喧嘩の仕方は身に付けている。




身体の事もあって最初父はなかなか頭を縦に振らなかったけど、しつこく私がお願いしたら渋々だが了承してくれた。





でも、あまり身体を動かさない事と怪我をしない事を条件に、主に足技が中心の、拳を使わない喧嘩を一通り教わった。





だから別に絡まれても自分で対処出来るから問題は無いんだけど…、ただ、”面倒くさい”。それだけの理由なのだ。





…でも、繁華街を通らなければ家には帰れない為、仕方なく今日も行くしか選択肢は残ってない。






はぁ…、と深い溜息を吐きながら、繁華街に近付く度に重くなる足を引き摺りながら歩く。







そして少しすれば、明るい賑やかな繁華街が見えてきた。







…よし、と心の中で気合いを入れ直し繁華街へと足を踏み入れた。







それから数分。あともう少しで繁華街を抜けられる、と気を抜いた瞬間。







「ねぇねぇ、君!可愛いねぇ!良かったら俺と遊ばねぇ?」






そんな声と共に、後ろから肩を掴まれた。

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